「僕は競馬の馬の名前ならば際限なく覚えられる。どうしてだが分からないが、とにかく努力なしに簡単に覚えられる。あるとき、僕はこのことをとても不思議だと思った。馬の名前のほうがややこしい、どうしてそれより簡単で、そこに多少の意味があるテスト項目が覚えられないのか、と。そこで我が輩が思いついたのが「ヒシヒシ戦術」である。試験で点をとれば競馬ができる。つまり試験で得点することは僕の幸せ。そう思ったとたん、覚えることなんか、いともたやすい「仕事」に思えてきたんだ。気合いと連想、それにしつこさ。これさえあれば最後は必ず覚えられる。ああ、そうだ。僕は競馬を通じて自分か理屈なしに覚えられることに気づいたのだ。馬の名前は覚えられるのに、社会のテストで必要な知識項目を覚えられないはずはない。
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