日本の繊維製品の生産・流通は、繊維原料の生産・流通、糸の生産・流通、織・編物の生産・流通、衣服(アパレル)の生産・流通と、大別して四段階に分かれている。この繊維製品の生産・流通の多段階性と複雑性は、日本の繊維・衣料産業の明治以来あるいは四五年の敗戦以来の歴史的産物で、やむを得なかった面あるいは必要性もあったのである。だが為替の変動と国際化のもとでの国際競争に勝ち抜き、生き残っていくためには、いたずらな多段階性、複雑性は整理される方向に向かうであろう。量販店やディスカウンターの「価格破壊」戦略は、既成の日本の繊維・衣料の生産・流通構造の変革を迫っている。そして、既に日本でも進行している百貨店を含む小売業のプライベートブランド(PB)戦略は、ある種の「製・販同盟」の形を取って、既存の生産・流通構造を揺さぶり始めた。