個室にいる時間が長くなればなるほどこころの成長という目で見れば遠回りしていることにもなりかねない。またある程度の年齢になれば、家庭というよりは、外で起こるさまざまな刺激の中から、精神的修行は積まれていく。自分のことは自分でできるように、子ども室という一つの空間を与えることで、身のまわりの整理が身につくのではと、これもちょっとうそがありそうだ。子どもは小さい頃から、家の中の環境を見て育つ。母親がどういう整理をしているか、センスの良い環境をつくっているか、そうした影響の方がはるかに大きいと思う。勉強も小さい頃はダイニングテーブルで済むし、小学生も上級になった頃には、自分の机があればいいような気がする。そして兄弟がいれば机を並べてといった環境で良いと思う。考えれば学校だって塾だって個室ではないのだから。むしろ子どもが外で傷ついて帰ってきた時に、子ども室に向かわないで、家族の中で癒せるように、そうした場にもっと家づくりのウェイトを置きたい。これは子どもに限ったことではなく、一緒に生活することで、別に話をしなくても何となく心の整理がついてきたり、自分自身が見えてくるようなそんな影響を与え合える関係が家族なのではないだろうか。