金利とは、何でしょうか。金利は、その国のインフレ率です。金利が高いということは、その国のインフレ率が高く、その国の通貨価値は、いずれ下落することを意味しています。たとえば、10%の金利か付くということは、100万円が、1年後に110万円になるということです。2年後には121万円に、3年後には133・1万円になります(複利計算をしています)。お金は増えているのですが、インフレですから、物価も上昇しています。つまり、こういった状態のときは、インフレが進んでいるということです。インフレは、お金(通貨)の価値が下落することですから、その国の中では、自国の通貨価値は下落しています。こういった通貨価値の変動は、日々のマーケット(外国為替市場)で、徐々に調整されればよいのですが、インフレ率ばかりがマーケットの変動要因ではありません。インフレ率が高い、つまり、高金利であることが要因になってキャリー・トレードが行われると、その高金利通貨は、“買い”の対象になります。繰り返しますが、ある通貨が高金利であるということは、その通貨を発行している国がインフレであるということです。ですから、いずれ、その通貨価値は下落する可能性があるのです。そうであるにもかかわらず、高金利の通貨は、低金利の通貨を売ったうえで買うキャリー・トレードのターゲット(買いの対象)になっているのです。キャリー・トレードが続いて、その規模が拡大増加している間は、インフレ(高金利)であっても、むしろ、その通貨の価値は上昇します。現在のマーケットは変動相場制ですから、需給で価格(為替レート)が決まります。キャリー・トレードによって、高金利通貨の需要が高まるので、価格は上昇します。しかし、インフレが、通貨価値を下落させる可能性が消えることはありません。需給による価格変動の陰に隠れて見えにくくなっているだけで、潜在的に存在し続けています。インフレで、その価値が下落する可能性を含んでいる高金利通貨が、需給関係から買われることで、むしろ、その潜在的な下落リスクは大きくなっているのです。人は、世の中が変わらないことを前提に、さまざまな取引をしています。しかし、日々の変化は小さくても、それは徐々に矛盾を溜め込み、次の大きな変化のエネルギーとして蓄積されていきます。地球上の大陸プレートの移動は、1年ごとに数ミリから数センチ程度で、日々の変化は、人間には感知できません。しかし、プレートは時々刻々と動いています。プレートとプレートの圧力が一定のレベルにまで溜まると、プレートは瞬時に大きく動き、それまでに溜めたエネルギーを放出します。突然の大地震となって修正を行うのです。それは、表向きにはよくわからず、目にも見えないでしょう。火山の地底深くにマグマが溜まり、それが抑えきれなくなると、突然に噴火するのと同しことです。マーケットも、矛盾がないわけではなく、不完全なシステム(制度)のもとで運用されています。日々、少しずつ矛盾が溜まって、いずれ激変を起こします。その激変するときこそが、言ってみれば、マーケットの「クラッシュ」です。インフレによる通貨価値の下落が、キャリー・トレードによって覆い隠され、一見しても目に見えない状態になっています。しかし、その矛盾がなくなったわけではなく、蓄積されているのです。その溜め込んだ矛盾を一度に放出するときが、「クラッシュ」です。キャリー・トレードが崩れるときのクラッシュは、それまで買われてきた高金利通貨が急落する形で顕在化します。それまで上昇してきた高金利通貨が大きく下落して、蓄積された矛盾の于不ルギーを放出するのです。それは、“ガス抜き”と同じ、と考えればよいでしょう。つまり、時間の経過とともにガスが溜まるように、クラッシュが小さなもので終われば、同じような小さなクラッシュ=“ガス抜き”が、繰り返して起こることになるのです。